正午なりの時々日記

休眠中ですが、時々ささやきます。

梶芽衣子の「山猫」

最近、久々にさそりシリーズを1作目から順に見たのですが、やっぱり印象に残るのは梶芽衣子さんの凛とした美しさ。新さそりシリーズ、あるいはびっくりするぐらいオリジナルへの愛に満ちていた「殺人予告」もいいけれど、その梶さん主演の4作品は別格の佇まいです。ブラックサバスでいえば、正に最初の4枚といったところ(?)。
それにちなんで最近、梶さんのカセットテープを作って頻繁に聞いています。夜、誰もいない職場で「怨み節」を聞いていると、窓の外の闇に梶さんのアップ顔がオーバーラップしそうな不思議な気分に。ちなみに私は「山猫」という曲が一番好き。アルバム「去れよ、去れよ、〜」の収録曲もいいですが、やっぱりこの曲かな。阿久悠の尋常ならぬ歌詞といい、シンプルながら印象深い中村泰士によるメロディといい、これ以上無いほどの完成度をもつ歌だと思います。正に情念の塊といった曲ながら、梶さんが歌うと鋭利な刃物のようなハードボイルド風の仕上がりになるところが興味深いです。この曲に限らないけど、梶さんの初期の歌には、情熱的な楽曲とクールな歌唱の一見ミスマッチぶりが独自のぴんと張り詰めた空気感を生み出している気がします。