正午なりの時々日記

休眠中ですが、時々ささやきます。

a qui avec Gabriel & POURING HIGH WATER with 東洋之のライブ

昨日はK.D.Japonに"a qui avec Gabriel"と"POURING HIGH WATER"のライブを見に行きました。丁度、名古屋〜関西ツアーを敢行中でして、ここ名古屋ではPOURING HIGH WATERに東さんが全面参加するほか、Keiさんと津山篤さんのソロも加わって贅沢な組合せです。まずはKeiさんによるガットギターの即興演奏からスタート。じゃらんじゃらんと無調の感じでギターが鳴り響く中、ときどきメロディが水面下からふっと浮上するような演奏です。私は楽器はぜんぜん弾けないので(おいおい)、Keiさんみたくギターだけでも表現できる人というのは羨ましいです。
次はa qui avec Gabrielさん。最初バンド名かと思っていたら、清楚な女性お一人によるアコーディオン演奏&歌だったのでびっくりしました。きれいなメロディに中世風(よく知らないのに書いてみました)のちょっと変わった旋律が混ざり、独特の美しさをもった演奏でした。ビジュアル面も特筆すべきで、黒装束で時折髪を揺らしながら巧みに楽器を弾く姿は、まさに密室より出でたりし自動人形テレーズ(from 黒死館殺人事件)が手風琴を操るがごとく。現実離れ度、かなり大です。
3番手は津山さんのディレイを使ったソロ演奏。ギター、歌、リコーダーやサックス、そして中盤以降では「ディレイがあれば何でもできる!」という声までディレイ効果でリピートされ、音が少しずつ重ねられていきます。しまいには客席の笑い声まで一緒に繰り返されていくという爆笑ものだったのですが、一方でしっとりしたトラッドで客席を涙させるという、その振幅は半端じゃないです。
そして最後はスズキジュンゾさん、TOMOさんと東さんのトリオ編成でのPOURING HIGH WATER。ジュンゾさんのドローン風ギターとTOMOさんのハーディーガーディーに東さんのシンセが絡みます。その東さんと先日共演して思ったのですが、東さんみたいに歌に合う宇宙音を繰り出すシンセ奏者というのもそうそういないですよね。そのこともあってか、このバンドは演奏終盤を除いて基本的にインストなんですが、どこかで歌の要素を強く感じさせる演奏に思えました。気持ち良い音でよかったです。この日の出演者の皆さんは、一見、異能の人揃いという印象ですが、同時にもっと普遍的なかっこよさも備えている方々ばかりでして、見に行って本当に良かったと思える良いイベントでした。