正午なりの時々日記

休眠中ですが、時々ささやきます。

スミスで会いましょう vol. 2 河端一ソロ”INUI”の感想

shogonari2010-03-07

昨日は、彦根のスミス記念堂に河端さんのシリーズライブ第2弾"INUIソロ"を見に行きました。このスミス記念堂とは昭和6年に建設された和風教会堂でして、道路拡張工事による解体後、平成19年にNPO団体が建物を譲り受け、再竣工されたものとのことです(以上、彦根ウンマップより)。その会場で都合9回の河端さんシリーズライブが企画されており、昨日はその2回目として民族楽器やギターなどによる録音ソロユニット"INUI"の初ライブが行われました。

私も彦根に行くのは初めてとあって、この日は5割ほど(もっとか)観光気分。快速列車で米原駅に到着後、近江鉄道に乗り換えて木造駅舎の鳥居本駅を見学、その後彦根入りして古い町並みや彦根城を散策するなど観光面もかなり充実。ひこにゃんに会えなかったのは唯一残念な点でしたが。そうした散策の間は小雨模様だったものの、ライブ直前に会場に到着した頃には雨もやみ、弱いながら陽も射してきました。そんな中で始まった河端さんの演奏。ギターによる雅楽みたいな響きを通低音として、そこに(たぶん)ブズーキとかシタールなどによる旋律が被さっていきます。重ねられるといっても全面的に塗りたくった音色じゃなくて、間とか余白を十分に感じさせる繊細なものでした。特筆すべきはこのスミス記念堂ならではの音響効果。チラシに河端一×スミス記念堂とあるのは正にその通りで、これが木造建設の特質なのか、音が複雑に共鳴する結果、あるときは人の声のようにも聴こえる多様な反響音がして面白かったです。さらに、聴いている位置を少し変えると、その反響音も変化して面白みは倍増。例えれば、ヘッドシェルをプラスチック樹脂製から黒檀などの木製のものに替えたときのような(また分かり難い例えやなあ)まろかやな味わいもしました。

また、いつもは夜の暗いステージで接することの多いこういう音楽を、昼間にのんびりと聴くというのも新鮮で面白かったです。会場が教会と聞くと何だか高尚なライブにとられかねませんが、実際には採光も十分とられた明るい会場ということもあって、周囲の空気や雰囲気に自然に溶け込んだ、身近で親しみやすい演奏に感じられました。そうした要素が相乗的に作用して、とても気持ちよく音と場を楽しむことができました。そういう意味では、演奏した河端さんだけでなく、会場設定を含め企画立案をしたイベンターの方にも拍手を送りたいシリーズですね。